子沢山でもなんとかなる!
優しさに支えられたフルタイムワーク
家族や友達の支えがあったから私は子育ても仕事もすることができました。
子ども4人を育てながら教員として復職することに不安がなかったわけではありません。
それでも「自分がやりたいと思ったことはやれるんだよ」というメッセージを子どもたちにも伝えたいと思い、周りの人たちに頼り、支えてもらうことで育児と仕事を駆け抜けてきました。
今では、子どもも大きくなり、家族が自然と協力し合える仲に成長し、子どもとの時間も仕事の時間ももつことができることに幸せを感じています。
Q:結婚、出産、復職の経過を教えてください。
A:長男6歳、長女1歳3ヶ月のときにフルタイムで復職しました。
Q:復帰後すぐにフルタイムを再開されたのですか?
A:フルタイムで仕事に復帰しました。復帰後、育児は主におばあちゃん達に助けてもらいました。夫婦それぞれの実家は遠いのですが、おばあちゃん達が手伝いに来てくれました。ただ、おばあちゃん達もお仕事をしていたので来れる範囲で来てもらいました。
おばあちゃん達に来てもらったのは、夏休みとかに来てもらうのではなく、普段のとき。例えば、保育所の送り迎えとか、子どもが体調が悪くなったときとかに来てもらっていました。私の母は仕事をしていたので、夫の母親がメインで来てくれていましたが、1回お手伝いに来てくれると10日~2週間くらいは滞在してくれて、たくさん手伝ってもらいました。
また、長男長女を出産後、復職してから、再度、次男次女を出産し、次女の出産後、約4年の育休を経てまた復職しました。
Q:子どもがたくさんいる中でフルタイムで復職するのは勇気が必要だったと思うのですが、なぜその働き方を選んだのですか?
A:私は、元々教員になりたいという目標がありました。長男のときは教員志望の臨時採用で仕事をしていて、その後、教員の試験に合格し、「自分がやりたいことはやってみたい」という気持ちがあったのと、子ども達にも「自分がやりたいと思ったことはやれるんだよ」という思いを持って欲しいというのがあったので、フルタイムで仕事を再開しました。当時は、もちろんできるかできないかわかりませんでしたが、「とりあえずやろう」と思ってやりました。
Q:フルタイムでの仕事を選択して、葛藤や課題はありましたか?
A:たくさん子どもがいる中フルタイムで仕事復帰ができるかなと自分でも不安な気持ちはありました。でも、おじいちゃんやおばあちゃん、長男の育児中にできた友達、私や子どもの周りにいる人が子どもの成長や育児を応援してくれました。「困ったら言ってくれれば手伝うよ」と言ってくれる人たちが沢山いたから、「とりあえずできるところまでやってみよう」と決心できました。
Q:実際周りの人たちに助けてもらうことはできましたか?
A:かなり助けてもらいました。おばあちゃんとおじいちゃんにも助けてもらったし、(長女より下の弟妹が)小さかったときは、ママ友にも預かってもらいました。長男を出産して育児をしている中で、お友達ができて、友達同士で預かり合いをしていたので、自然な流れで頼みやすい人たちが私の周りにたくさんいました。実際頼むか頼まないかは別として、「いつでも頼める」という心の支えがありました。家族じゃない人たちの支援、おじいちゃんおばあちゃんの支援が大きかったです。
私が働くってことは育児のリズムや家族の生活スタイルが、育児に専念している時とは変わってしまうのは自分でもわかっていました。でも、私が教員になりたいという目標を持っているのは周りの人たちも理解していてくれたので、私自身は実際あまり何にも考えず流れに身を任せて来た感じですが、「とりあえずやろう!みんながいるから何とかなる!」みたいな感じで仕事復帰をしました。
Q:復職されて、子どもやパートナー(夫)の反応はどうでしたか?
A:子どもはまだ小さかったのであまり理解していなかったと思います。当時、長男は6歳くらいだったので、おばあちゃんが時々来てくれて「やった~」みたいな感じでした。
夫は、基本私のやりたいことはやらせてくれる人なので、特に何も言うことはありませんでした。「2人で稼げばいいんじゃない?」くらいに思っていたんだと思います。
Q:お仕事することで、家事が滞ってしまうときのパートナー(夫)の反応はどうでしたか?
A:夫は忙しかったので、家事の手伝いはしてくれませんでした。でも、家事に対して何も言わない人なんです。自分もやらないけど、私にも強要はしない。
ただ、私の機嫌が良いと一番家が回るし、夫も仕事から帰ってきて居心地が良いと感じると言っていました。夫が帰ってきた時に私が子どもに怒っているのが一番嫌だと前に言われたことがあって、そういう時には「あまり予定を詰め込みすぎないで」と言われてました。
夫は家事に対して何も言わなければ何もしないスタイルでしたが、子どもが家事を手伝ってくれます。子どもがお手伝いをしてくれるようになったのは、一番目の長男がお手伝いができるようになる頃から。私が帰ってくるまでに、食洗器から食器を出して片づけるというルーティーンが決まっていました。長男が高校生になって忙しくてできなくなると次の子がお手伝いができるいい時期になって、代々順繰り順繰りお手伝いをしてくれました。食器の片付け以外にも、お風呂洗う人、洗濯畳む人のように役割が自然とできていきました。
あれもこれも全部やってもらうというよりちょっとづつやってもらいました。それに、手伝わないと子ども自身も困るので。例えば、食器を片付けておいてもらわないとすぐにご飯に取り掛かれない。ご飯は子どもにとって死活問題なので、食器を片付けるのに20分かかっちゃうとご飯を食べるのが遅くなっちゃうって自分達もわかっていました。「お母さんが帰ってくるまでに食器をきれいに片しておいたから、すぐにご飯を作ってぼくたちはご飯を食べられる」、そんな風に意識を持っていくような声かけもしていました。食事に関して言えば、見せられたものじゃないけど、フランス料理みたいにできたものから次から次に出して「取り合えずこれ食べちゃって」みたいにしていました。
今は子ども達が大きくなってきたので、忙しくてお手伝いの頻度は減りました。でも、お手伝いをすることに慣れているので、時間さえあれば手伝ってくれます。それに、お手伝いをいっぱいさせていた子が、今お手伝いを一番やってくれるし段取りよくやってくれます。うちは下の子たちもお手伝いをしたかったのですが、上の子がお手伝いを取っちゃって・・だから一番下の子がお手伝いをする機会が少なかったと思います。今は下の子にお手伝いをたくさんしてもらいたいと思っているのですが、小さい時のお手伝い経験が少なかったからか、お手伝いしてくれる頻度は少ないなって感じています。上がお手伝いをするから、下の子がやらなくてもいい立ち位置だったっていうのもあるけど、料理とかお菓子作りとか好きにお手伝いをさせるのは、子どもが小さいうちにやっておいたほうがいいかもって思います。
Q:これまでの子育てや仕事を振り返ってみてどうですか?
A:私はいつでも幸せです。今の方が自分の時間がちょっとあってうれしいけど、こうやって振り返ると、「あの時間をもうちょっと堪能すればよかった」と思います。子育てを駆け抜けた感じがあるし、若干記憶もなくて・・堪能したつもりだったけど、より堪能すればよかったなとは思います。
子育ては忙しいは忙しいけど、子どもはかわいいです。4人目ができた時は、本当にバタバタ忙しかった。でも、「こんなにみんなに望まれて生まれてくる子もいるんだ」って思って、忙しくてもすごく幸せでした。自分の時間はもちろん全くなかったけど、子ども達と一緒にいたかったし、ご飯を作ってあげたり、一緒にどこかへ行ったりしたかったので、子育て真っ最中も楽しかったです。
今は自分の時間ができて、自分がやりたいなと思う書道を習ってみたり、自分のために時間を使うことができたりしているので、今も幸せだなと感じています。それに今は子どもの育児というよりも、子どもの推し活も楽しんでいます。子どもが一生懸命何かに取り組んでいる姿を見に行く。子どもがいなかったら知らなかった世界へ私を連れてってくれる、なので、その時その時幸せなんです。出産をして仕事を休んでよかったと思うし、いっぱい子ども達といれて良かったと思うし、みんなに助けてもらって復職して良かったと思うし、今も子どもとの時間も自分の時間も仕事の時間ももててることが幸せです。
Q:どの辺で育児が落ち着いてきたなと感じましたか?
A:子どもが幼稚園・保育園に行きだしたタイミングですかね。でも、上の子が中学生で3番目、4番目が保育所に行っている時が一番忙しかったと思います。でも、その時はその時で上の子が助けてくれて、うちには「家族助け合い運動」っていうキーワードがありました。あとは学童をやめたタイミングはしんどかったです。
小学校行くタイミング、中学校行くタイミングで子どもたちは子どもたち自身の世界に入っていくので、そのタイミングで1個ずつ片付いていきます。私もいつもいっぱいいっぱいと思っていましたが、何とかやってこれました。周りの助けは大事、それに尽きます。あとは文明の利器に頼ること!
Q:今後のプランは?
A:仕事に関して言うと、60歳までは働きます。その間、働きながら書道習ったり、自分の興味がある地域活動に参加したりするのもいいかなと思っています。仕事がひと段落したらシルバー人材とかでちょっと働いたり、ちっちゃい子たちと一緒に何か関わったり、今の仕事(小・中の特別支援学校教諭)を生かした何かができたらいいなと思っています。
Q:最後にメッセージをお願いします。
A:「子どもがたくさんいても、何とかなります!」その根拠は、「みんなは優しい、周りの人たちは優しい」から。
4人目産まれた時に、母親に「4人目産みたいけど、心配だ」って言ったら、「その子その子に徳が付いてきているから大丈夫」って言われました。だから大変な時は、きっとその子自身育っていけるようになっているから大丈夫。お友達をたくさん作って仲間に頼ることができれば何とかなります!お母さんお父さん自身がやりたいことをやって自分の人生を楽しんでくださいね!