引け目なんて必要ない!
子どもと育つ専業主婦
子どもたちを育てること、『専業主婦は立派な仕事』と感じて専業主婦をしていました。
子どもたちを安全に健康に育てることはやりがいを感じる仕事だし、お給料が発生しなくても、引け目を感じる必要は全くありません。
今は子どもに任せられることが増えたので、自分のやりがいとなることを見つけるためパートで仕事を始めました。
仕事を始めるときは少し心配もあったけれど、子どもが小さいときに一緒に子どもと毎日を楽しんだことや、仕事にでることで子どもたちが自立していくというのを実感していて、昔も今も自分が幸せだと感じる人生を生きています。
Q:なぜお子さんが生まれてから専業主婦という道を選ばれたのですか?
A:専業主婦になったのは、家のことに専念したかったからです。あと、結婚する前までは長く勤めていたので、結婚を機に休みたいっていうのがありました。子どもはすぐにできたわけではなくて、ともかく家のことに専念したいと思っていました。
専業主婦を経て仕事を始めたきっかけは、長女が小学校高学年の時に、そろそろ働こうかなっと思ったんです。ある程度自分のことをお任せできるようになったので。例えばご飯を作っておいて、「温めて食べてね」ができるようになったので、いい時期かなと思いました。
もう一つは老後を考えたいと思ったんです。私54歳になるんですけど、今働くところを決めておかないと年齢を重ねたら働き口を探すのが大変と思ったんです。ちょこちょこ探していたら、たまたま今の職場を見つけて「チャンス」と思って決めました。「生きていくため」だけでなく「生きがい」として、働こうかなと思いました。
Q:専業主婦でいることに不安や焦りはなかったですか?
A:逆にそれがわからなかったです。(専業主婦は)仕事というか、いいこと。当たり前のことと思っていました。以前、NPO法人よしかわ子育てネットワーク代表の中島さんに「私専業主婦なんです!」とはっきり言ったことが、かっこよかったと言われたのですが、「そんなにスペシャルなこと?」と正直思いました。
私は専業主婦は立派な仕事だと思います。お金は発生しないですけど、子どもを安全に健康に元気に育てているってやりがいを感じるので、立派な一つの仕事だと思います。引け目なんて必要ない。特に小さい子にちゃんとご飯を食べさせて顔を洗わせてって大変じゃないですか。しかもスムーズになんて…頭ですごく考えません?すごく大変なことですよ。
Q:その働き方を選んだ時の課題や葛藤は?
A:専業主婦を選んだ時に葛藤はないです。それが当たり前と思っていたので。
仕事を始めたときは、子どもが大きくなったとはいえ家のことが多少おろそかになってしまって、それをどううまく回していこうかと考えました。仕事へ行ってしまっていいのかなと心配は感じました。
Q:家事が十分にできなくなった時の解決策は?
A:長女を頼りにしていました。専業主婦時代に色々手伝わせていたので、結果的にできるようになりました。
Q:それぞれの時期に子どもやご主人はどんな反応でしたか?
A:主人は専業主婦になったときは大喜びでした。だって家にいてくれるんですもん。帰ってきたら家にいてくれるというのが単純にうれしかったんじゃないかなと思います。おばあちゃんはいましたけど、自由にお出かけする方なので、あまり関わっていませんでした。
仕事を始めたときは勝手に決めちゃったというのもあるんですけど、夫はあまりいい顔はしなかったですね。仕事を選ぶタイミングっていうのが、「仕事をやるよ」というのを言わないで探し始めたので、見つかったというタイミングで言ったのでびっくりしていました。でも今は大丈夫です。
子どもは全然大丈夫でした。「お母さんいってらっしゃい」と言われました。長男は男の子なので、母の私が言っても私が言う通りにやらない。逆に「ご飯食べているのかな?」と心配になるときには長女に見ておいてもらうよう言っています。
Q:過去を振り返って、それぞれの時期のことをどう思いますか?今は幸せですか?
A:普通に幸せです。専業主婦のときは子どもと共に成長してきたと思っているので、大変でしたけど、楽しかったです。早く起きて朝ごはんを食べて、午前中に外遊びに出かけて~というルーティーンがあったので、大変なんだけど、楽でした。
専業主婦でいるからこそ、子どもと一緒にいろんな事をやっちゃう的なのもありました。公園は制覇しました。外遊びすれば疲れて夜寝てくれて、そうすると自分の時間もできるしお互いにとっていいことです。
Q:今後の生き方、働き方のプランやイメージはありますか?
A:「終活」を始めようかなと思っています。ハンドメイドをしているので、在庫を減らして整理をしています。50歳を過ぎちゃったんで、元気なうちに、頭がしっかりしているうちに片づけておこうというのがあります。66歳の母が夜中に倒れてそのまま亡くなり、父や弟が大変だった記憶があります。
子どもには、たぶん同級生のお母さん達より年齢が上なので、「とりあえず頑張って勉強して、普通に就職して、ちゃんと収入を得られる仕事に就いてね」って言っています。子ども達にひとりで生きられる力を付けてもらわないと安心して旅立てないので。私が仕事をしたことをきっかけにして、私が家にいないと、おのずとやらなきゃいけないことを振られるので、家のことを自然とやるようになってくれるようになりました。なので、仕事に出てよかったかなと思います。お勉強になるし、自分でやろうと思ってくれるようになるし、かえって(自分が)いないことが彼らの成長になると前向きにとらえて仕事に出ています。
子育てに関して言えば、子どもといっぱい遊んであげた方がいいと思います。小さい時に遊んでいないと、成長したら相手にしてもらえなくなっちゃうもん。
幼稚園が親が関わることを求める幼稚園だったのですが、それがなかったら誕生日ごとの記録を作るということもなかったと思いますし、きっかけを作ってくれた幼稚園には感謝しています。今もその時に作った記録は大事にしています。
機会を見て小学生になったらちょっとずつ色んなことを任せて、中学生になったら部活もあるだろうけれど任せられるところは任せて。そうすることでこちらも好きなことができるし、子どもの成長に合わせてでいいと思います。
いずれ子どもは忘れてしまうから、小さい時に沢山関わって、子どもとの思い出をたくさん残しておくとお母さんお父さんもその時の思い出をまた大きくなった子どもにお話しすることができて関わりを絶えず持ち続けることができます。
Q:みんなへメッセージやアドバイスをお願いします。
A:専業主婦の方には、今の子育てをいっぱい楽しんで欲しいです。いっぱい出かけていっぱい笑っていっぱい泣いて、なんでも一緒に過ごす時間を大切にして欲しいと思います。
専業主婦であることに引け目なんて感じないで欲しいです。立派な仕事の一つだと思うので。
人とのつながりは大事だと思います。幼稚園の父母会をしたりすると、情報ももらえますよ。未だにお付き合いのある方もいます。