生き方・働き方を考えてみよう!インタビュー:case4 金丸りえさん


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育児も仕事もやり遂げたい!
私だからできる起業

出産を期に勤めていた仕事を辞め、子育てを中心にしながらも将来はプロの料理家としてフリーランスで仕事をしていくと決めていました。

産後数年経ったあと、その夢に向かって、地域でお料理教室の講師として活動を始め、2016年に開業届をだし=起業。

現在は夢であったプロの料理家として仕事をしています。

「子どもが学校から帰ってきたときにおかえり」と言って子どもに安心を与えることができる育児を成し遂げ、それと同時に、自分の夢も叶えることができ、「自分が主人公のチャレンジ精神あふれる人生」を一歩ずつ歩んでいます。

金丸さんのライフチャート
Q:まずはどういったきっかけでプロの料理家になったのですか?

A:短大を卒業して、食に関わる会社に就職をしました。そこでの採用は栄養士枠だったので、2年働いて国家試験を受けて、管理栄養士になりました。10年その会社で働いて、はじめの5年は現場にいましたが、あとの5年は本部でメニュー開発に携わりました。その後、出産を期に育児がしたいと思ったので、勤めていた会社を退職しました。それでも、プロの料理家になりたい気持ちはあったので、子どもを産んで3年後くらいからフリーで活動を始めました。子育てをしながらお料理教室をしたり、食育講座を開いたり、下積み時代を経て起業した(開業届をだした)のは2016年。

2016年に開業届を出したときに初めてプロの料理家登録をするために履歴書を書いてだしました。当時は無名で実績はなかったけれど、これからプロの料理家としてやっていきたいことを伝えて採用してもらえ、その後コロナ禍中にオンラインお料理教室を始めてクライアントさんが増えていきました。

Q:出産後から今までのワークスタイルをもう少し詳しく教えていただけますか?

A:子育てをしたかったから会社は辞めたし、せっかく自分で生みたくて産んだので、じっくり子育てしたいと思いました。だけど仕事もしたかったから、どっちもやるっていうスタイルをどうやったらできるのかっていうのを考えたときに、フリーランスで家でできる仕事や地域でできる仕事をやることにしました。子どもたちが小学生のときは地域で食育講座をやったり、家で依頼を受けて食事を作って写真を撮ってレシピをメールで送ったりするお仕事をしていました。

管理栄養士の資格ももっているので、保健指導としてメタボの相談員もしていました。保健指導のお仕事では地域密着型の仕事だったから、外に出るとしても越谷に行くくらいでした。子どもが学校から帰ってきても「おかえり」と行ってあげることができるようなワークスタイルを選択しました。

コロナになってからは対面でお料理教室や食育講座みたいな仕事ができなくなったので、オンライン料理教室を始めました。3年で2000人くらいの受講生をもつようになり、そこからオンラインお料理教室が自分の仕事の軸となりました。その後、少しずつ私のHPを見てくださった方から新しい仕事の依頼を受けるようになって、今は個人の方からのご依頼だけでなく企業ともお仕事をしています。

あと、仕事だけでなく、子どもを育てながら少しずつ勉強もしていました。スパイスの勉強や分子栄養学を勉強し、今まで培った知識を出して仕事の幅を広げている感じ。

自分で自立したかったし、料理の世界でちゃんとオファーが来るような人になりたかったのはあります。だから、子どもがまだ小さくて親を必要とする時代、私の30代は自分の夢を叶えるための材料集めをするために勉強したりいろんな人とあったりしつつも、地域で受講費300円、講師代として2000円とか3000円とかで働くことをやっていました。


場数を踏んで経験値を増やそう」と思っていたので、30代は頼まれたことは全部やっていました。うちの子どもは割と体調を崩さないタイプで、仕事は断らずやれて、子育てしているときはプレ仕事=下積みみたいな感じでやっていました。長い下積みはあったけど、それが今役に経っていると実感しています。


Q:育児をしながら仕事に勉強に・・とても精力的に活動されていたんですね。パートナー(夫)の反応はいかがでしたか?

A:子どもだから夫に預けで出かけるときは泣くことはありました。そんなときは、私も「仕事になるかもわからない、元がとれるかもわからないのにこんなことやっていて意味があるのかな」と思ったこともあって、旦那さんに言ったこともあります。でも、旦那さんは「頭で学んだことは誰にも盗まれないんだから、やりたかったらやったほうがいいよ」って言ってくれました。だからそのときは旦那さんに預けて勉強をしに行ってました。

そうやって旦那さんに任せて自分の知識を広げる勉強をしに行くことで自然と家族に感謝の気持ちが湧いてくるから、「家族のためにちゃんと勉強/仕事しよう」と思えました。でも、もちろんご飯は必ず作って行ってましたし、夜までかかるお仕事だったとしても連日遅くなるような仕事はしないように工夫しました。

Q: これまで産後フリーとして働き、起業をされて、何か葛藤はありましたか?


A:子育てをしたかったから勤め先を退職したし、産後もプロの料理家にいつかなりたいと思っていたから、子育てしながらでもできる仕事をしてチャレンジし続けてきました。

育児と仕事の両立でいうと、育児やってるから仕事はできませんっていうふうにはしたくなかったから、きっちりできる仕事を選んでこなしました。会社に勤めるとか、泊まりがけで仕事をすることはできないからそういう仕事は選ばなかった。なので、あまり葛藤は感じませんでした。

ただ、仕事面では不安はありました。正直、挑戦することは怖いです。私も料理が好きで子育て中もフリーで無名でも地域で料理教室をしてきたけど、これでいざ地域から飛び出してプロの料理家になるとなったとき、「料理家として通用しません」ってなったらと考えると、身震いしました。

「金丸さんの料理って全然美味しくないよね」なんて言われるかもしれないっていう恐怖心と戦いながら仕事をしてたけど、それを積み重ねていくと実績になって、「ここでも喜んでもらえた」「ここでも美味しいっていってくれた」っていうのを経験して、それが自信になっていったのを実感しました。だから、怖くても「やってみよう」って前に進むのも大事だなって思います。でも、「怖いから辞めた」ってなるのも、それは自分のベストな選択だと思っています。

Q:今は幸せですか?

A:子どもは大きくなったので、私自身仕事に一生懸命取り組んでいます。子どもが小さかったときは、子どもと一生懸命向き合ってきたので、育児をやりたかった自分は達成できました。

子どもの成長とともに環境も変化して遠隔介護などつらい時代も経験しましたが、過去をうまいこと消化しながら生きてきたので、今は朝早く起きてお灸をし、瞑想、柔軟もできたりして、自分に時間を持つことができています。

仕事でも、育児をしながら仕事をしていたので、「自分は仕事に振り切れないから、料理家として芽が出ないかも」と感じたときもありましたが、続けてきたからこそ、今はクライアントさんがいて仕事を一生懸命できています。

自分が楽しく生きて、真剣に仕事をして、その背中を子どもが見ててくれたら嬉しいなと思っています。

Q:最後に生き方や働き方で悩んでいる方にメッセージをお願いします。

A:仕事をしていても、日々の生活をしていても、自分の楽しそうな姿を見て、子どもも「大人って楽しいんだな」と思ってもらえると思います。子どもが大きくなるにつれて悩みも複雑になったり、親としてできることが少なくなっていったりするけど、自分が楽しく生きて真剣に仕事をしていれば大丈夫。

子どもも結局自分の人生は自分のものであって、所詮、親は子どもにとって脇役だから、子どもがどう感じてどう受け止めるかはその子の課題。子どもは拾いたいものを拾って自分の人生のストーリーを作っている。だじゃら「この子は幸せになるために生きている」「この子が苦しいこともこの子が幸せになるためのハードルなんだ」って子どもの選択する力を信じていればいいんだと思います。子育ては自分とも向き合わなきゃいけないし、いつもと同じ繰り返しだし、腐っちゃうこともあるけど、振り返ると「あのときはいい時間だったな」って思えるときがくるはず。

仕事でも、仕事をやる、やらない、やりたいけどやらないっていうのも決めていけるのは自分。でも、やらないことを選んだ時に自分を責めないで欲しい、だって自分にとってベストな選択をその時その時にしているので。

家で何かやりたいと思っているお母さんお父さんたち、今はSNSもあるし、オンラインで何かをすることができるので、やりたいならやった方がいいです。みんな安定した仕事を探したがるけど、フリーランスでがんばっている人は目標は決めてもどういうふうにやっていくとかはあまり決めずに臨機応変にやっています。やるかやらないか、自分で決めて続けていればいつかその時の経験が役に立つはずです!