生き方・働き方を考えてみよう!インタビュー:case3 宇野りえさん


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私が会社のロールモデル!
育児が私の強みになった

結婚する前から地域の薬剤師になる志をもって仕事をしていた私。

企業(小売業)で薬剤師として働く中、夫と結婚、出産。

子どもが0歳のうちに復職をしました。

勤務先が「子育てをしながらでも働くことができる会社」を目指していたため、私の育児経験がピックアップされて人事部に異動となりました。

目指していた「地域の薬剤師」ではないけれど、これから出産・育児をする人達が働きやすい環境作りを仕事にできてとてもやりがいを感じています!

宇野さんのライフチャート


Q:まずは、薬剤師になるきっかけを教えてください。

A:昔から、理科の先生、保健の先生、看護師など白衣を着た先生に憧れを持っていました。『薬剤師』という何となく自分の目指すイメージがつかなかった新しい分野に、逆に興味を持ちました。笑って、地域のおじいちゃんおばあちゃんと他愛ない会話をして楽しく働けたらいいなと思って、研究職としての薬剤師でもなく、病院の薬剤師という職でもなく、『接客をする薬剤師』になるために地域の薬局を選びました。ただ、どこの会社に勤めても、それぞれの楽しい事、好きなところを見つけて貢献したいと思っていました。

今勤めている会社は、結婚前から働いているところで、最初は薬剤師として、そして次は薬局の店長として接客中心で勤めていましたが、数年してから本社の事務に異動することになりました。本社に移ってからは、店舗のスタッフが働きやすい職場はどうすればいいのか、何が困っているのか、信頼をもてる企業になるためにはどうしたらよいか、などを考え、地域密着型の薬局を目指すために、私も会社を改革していく一人という立場になりました。

結婚した後、子どもを出産し、子どもが0歳のときから仕事に復職しました。仕事に戻る上で会社に色々なケアをしてもらい、私自身も子育てしながら働ける環境をもっとしっかり整えたいと感じ、女性社員の働き方プロジェクトのようなものを立ち上げました。『あったらいいな』と思う制度を会社のみんなで考えてルールを追加していき、環境を整える事で、この会社で働きたいなと思う人を増やすことを目指しながら、自分も会社のロールモデルとして現在も人事部で働いています。

Q:子育てをするようになり、薬剤師としての私だけでなく、できる仕事の幅が広がったということですね?

A:そうですね。地域の薬剤師になることを目指して入った会社でしたが、子育てを経て人事という仕事にも巡り会うことができました。

人事の採用課にいた時には、これから働こうと思っている大学生向けに、「うちの会社に入ったら、どんな自分の将来があるのだろう?」という事を話す機会が多かったです。子育てしながら働くことに不安を感じる学生が多かったので、会社説明会などのイベントに、子どもを連れていき、自分の現状、例えば「この子がうちの子で、仕事の時間は〇時~〇時までです」などといったことを話しました。子どもがいるからこそ説得力があるし、お母さんとして働く人の気持ちがわかる。会社があるから自分がある、自分があるのは仕事のおかげと思っています。

Q:お子さんが0歳で復職されたということですが、ご家族の反応はいかがでしたか?

A:夫は特に反応はかわりませんでした。もともと子どもが生まれる前から、家事は得意ではなかったのであまりやっていませんでしたし、自分の優先順位を知っている夫婦なので、お互い思い合って、「『今』のこの時期は、子ども優先だよね、今は○○だよね」と理解し合っていました。


また、復職した時は子どもはまだ小さかったですが、少し大きくなってからは子育てに理解ある職場に出入りして、会社の上司の事も知ってましたし、母の背中を見てきたので、働くことに理解がありました。 


Q:お子さんが0歳で復職されたとき、ご自身の中で葛藤はありましたか?

A:子どもの体調などで休むと会社に対して申し訳ない気持ちになる反面、もっと子どもに向き合いたいと思う自分もいて、どっちつかずだと感じていました。けれど、仕事を続けることで誰かの力になっていると実感したので、今では、中途半端な両立が良かったと思っています。 


私が小さい時、母も働いていました。母が仕事に行っている間、私は祖母と過ごしていたのですが、母が仕事に出る時、私は「行かないで!」と泣いていました。ただ、その反面、職場に行っていつもと違う親を誇りに思う自分もいたので、今、私が母親という立場になって私も働く事に罪悪感を持たずに仕事をすることができています。


Q:今は子育ても仕事も両立されていて満足されていますか?

A:子どもが生まれる前の方がもちろん自由度もあり、自分の好きな事、学びたい事に多くの時間を取ることができていました。でも、今は、決まった時間で生活も整い、健康的で心穏やかな時間を持ち、季節(行事)を感じ、社会との関わりを持てていることを実感しています。自分のためにとる時間は少ないですが、感謝される機会が増えたので、とても満足しています。


Q:今後のプランを教えてください。

A:子どもが大きくなってきたので、仕事にかかわる勉強をして、会社と社会に貢献していきたいと思っています。

実際、今の社会を見ると、まだまだ育児をしながら働きやすい社会ではないと思うので、育児しながら働く女性で情報交換しあってみんながそれぞれの場所で成果を出して周りに働きかけて、男女問わず働きやすい社会を作っていきたいと思っています。そのためには、私は今いる会社で自分の仕事をしっかりと勤め上げることが大切なのかなと思っています。

Q:今、生き方・働き方で迷っている方へのメッセージをお願いします!

A:「自分には、向いてないかもしれない」と決めつけずに、イメージがつかないことでも興味をもって話を聞いてみるといいと思います。そこから、やりたいことや自分に向いていることが新たに見つかるかもしれないので、1歩踏み出してみて、可能性を広げていって欲しいです。